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早稲田大学の学術院制度にみる学部・大学院の連携

早稲田大学の学術院制度にみる学部・大学院の連携  真のグローバル化を実現するには、国境や人種、民族、宗教の違いを越えた地球人として、外の世界と積極的につながることがこれまで以上に求められています。リアルタイムで外の世界とつながり、日本も巻き込んだ国際社会のグローバル化が急速に進む以上、もはや「日本と外国」という縦の関係だけで国際交流を深めることは難しくなっているように思います。

日本の大学は、かつてないグローバリゼーションの波に否応なくさらされ、その存在意義と役割が改めて問われています。各国人という枠を取り払い、同じ地球人としてボーダレスな存在として、横のつながりで国際社会に溶け込むグローバルな人材をいかに多く輩出できるかが、自らを国際競争で生き残る強い大学、国際標準の大学としての価値を高めるための条件と言えます。

グローバルユニバーシティを目指す早稲田大学が推し進める改革を象徴する言葉を一つ挙げるなら、やはり「ボーダレス」に尽きます。早稲田大学改革の原動力は、学部、学科、大学院、他大学という既存のタテ割りの枠を大胆に取り払い、学内・学外を問わず、横のつながりを重視する学際的な教育方針にあります。

早稲田大学の学術院制度にみる学部・大学院の連携  こうした組織のボーダレス化を実現する改革の一つが、2004年に始まった「学術院制度」です。これは、同じ学問系統であっても互いに独立していた学部、大学院、研究所を一つの学術院に統合し、3者間の連携をさらに強化するための組織です。たとえば、法学系統では、1つの学部(法学部)、2つの大学院(法学研究科、法務研究科)、2つの研究所(法務教育研究センター、比較法研究所)が「法学学術院」を構成しています。その他の学術院としては、政治経済学術院、文学学術院、教育・総合科学学術院、商学学術院、理工学術院、社会科学総合学術院、人間科学学術院、スポーツ科学学術院、国際学術院などが設置されていますが、各教員は学部や大学院ではなく学術院に所属しているため、「○○学術院教授」などと称されています。

この学術院制度の下、早稲田大学では、学術院内の学部・大学院・研究所の機能がさらに強化され、これら3者の連携による一貫した教育体制の確立、3者の統合による事務管理の効率化、大学としての意思決定の迅速化なども実現しています。

さらに、学術院内だけでなく、別系統の学術院同士、たとえば、学部相互のつながりが強化されるなど、社会科学・人文科学・自然科学を一体化した総合科学への志向、すなわち、学問のボーダレス化も学術院体制の下で試みられています。かつてないほど急速かつ高度に複雑化する現代社会の諸問題に対応しうる人材、学際的なアプローチで複合的な問題を解決できる人材を世に送り出すことは、大学としての国際競争力の強化に欠かせません。早稲田大学の学術院制度は、こうした人材の育成も視野に入れていると言えるでしょう。

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